「慚愧に堪えない」という言葉には、「自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ち」という意味があります。
謝罪会見やビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「慚愧に堪えない」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
慚愧に堪えないの意味は『自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ち』
慚愧に堪えないの読み方は「ざんきにたえない」です。
語源は自分の行いや過ちに対して、
- 自らに恥じる心を指す「慚」
- 自分の行いや過ちを他人に対して恥じる心の意の「愧」
- 感情を抑えることができないの意の「耐えない」
の3つが合わさってできた言葉です。
『慚愧に堪えない』には
- 自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ち
などの意味があります。
「慚愧に堪えない」の正しい使い方を例文で紹介!
「慚愧に堪えない」は、自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ちを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

このような事故が起きた原因は全て私どもの不徳によるものであり、慚愧に堪えません。
例文②

私のミスにより、お客様に多大なご迷惑をお掛けしてしまったこと、慚愧に堪えません。
例文③

この度、野球部員が起こした不祥事について慚愧に堪えません。心よりお詫び申し上げます。
例文④

私の気の緩みからこのような事態を引き起こし、世間をお騒がせしてしまったこと、慚愧に堪えません。
【慚愧に堪えないを使う時の注意点】
「慚愧に堪えない」は自分の行いについて残念に思い反省し、深く恥じてその恥ずかしさを我慢できないことを意味し、自責の念を伝える時に使う言葉です。
例文のように、謝罪するときに使われマイナスのイメージで使うのが一般的です。
「慚愧に堪えない」の類義語・言い換え4選
『慚愧に堪えない』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 忸怩たる思い
- 遺憾
- 痛恨の極み
- 自責の念
類義語①忸怩たる思いの意味

私の判断ミスによりこのような事態を起こしてしまい、忸怩たる思いです。
類義語②遺憾の意味
読み方:いかん
「遺憾」とは、期待した通りにならずに残念に思う気持ち・意図した結果にならずに不満足に思う気持ち・後になって不十分であったことを後悔する感情のことを意味する表現。
引用:weblio辞書

今期の目標を達成できなかったこと、大変遺憾に思います。
類義語③痛恨の極みの意味

この大切な時期にキャプテンの怪我は痛恨の極みです。
類義語④自責の念の意味

私の軽はずみな発言で、彼女を傷つけてしまい自責の念にかられています。

「慚愧に堪えない」と「忸怩たる思い」の違いは?
「慚愧に堪えない」と「忸怩たる思い」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「慚愧に堪えない」には自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ちという意味がありますが、
それに対し「忸怩たる思い」には、自ら恥じ入る気持ちに駆られることという意味があります。
どちらも自分の行動や状況を反省して恥じることを意味し、意味や使い方の違いはありません。
あえて違いをあげるとしたら、「慚愧に堪えない」は自ら恥じていることの他に、後悔や悔やまれるという気持ちがあることです。
「慚愧に堪えない」は英語で『overwhelmed with shame』
慚愧に堪えないは英語の『overwhelmed with shame』に言い換えることができます。
英語の『overwhelmed with shame』には
- ざんきに堪えない
という意味があります。
「慚愧に堪えない」の対義語・反対語は『厚顔無恥』
慚愧に堪えないの対義語は、『厚顔無恥』になります。
厚顔無恥には
などの意味があり、ずうずうしくて恥知らずなことを表すときに用いられます。
- ずうずうしくて恥知らずなこと

あの人の厚顔無恥な態度には本当に呆れてしまう。
「慚愧に堪えない」は自分の行いや状況を深く恥じて申し訳なく思う気持ちを指し、「厚顔無恥」はずうずうしくて恥知らずなことを指しています。
