「采配」という言葉には、「指図」などという意味があります。
ビジネスシーンでよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「采配」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「采配」の意味は『指図』
【采配の意味】
1 紙の幣 (しで) の一種。昔、戦場で大将が手に持ち、士卒を指揮するために振った道具。厚紙を細長く切って作った総 (ふさ) を木や竹の柄につけたもの。
2 指図。指揮。
3 《形が1に似ているところから》はたき。ちりはらい。
引用:goo辞書
采配の読み方は「さいはい」です。
語源は、木や竹の柄の先に裂いた白紙などを束ねて房状に取り付けた物を「采配」と呼んでいたことです。
これを戦場では大将が振り動かして合図を出すことで自軍の指揮をとっていたことから、現在では先頭に立って指図することを意味するようになりました。
「采」と「配」のそれぞれの意味は、
- 「采」は、えらびとる
- 「配」は、指図が行き渡る
この2つが合わさってできた言葉です。
『采配』には
- 紙の幣 (しで) の一種。昔、戦場で大将が手に持ち、士卒を指揮するために振った道具
- 指図
- 指揮
- はたき
などの意味があります。
「采配」の正しい使い方を例文で紹介!
「采配」は、命令や指示をして、大勢の人を動かすことを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
私の采配ミスのせいで、明日のイベントの準備が終わらない。
例文②
今回は部長の采配がうまく行った。
例文③
難しい場面こそ、リーダーとしての采配の見せ所だ。
例文④
チームの期待に添えるよう、采配を振る。
例文⑤
今回の案件では、責任者として采配を取ることができた。
【采配を使う時の注意点】
「采配」には大きく3つの意味がありますが、ビジネスシーンで使われる場合は、指図することや指揮を取ることを意味することがほとんどです。
また、指揮を取るという意味で「采配を振るう」という表現が使われることがありますが、これは誤りです。
正しくは「采配を振る」ですので、誤用しないように気をつけましょう。
「采配」の類義語・言い換え5選
『采配』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 指令
- 監督
- 先導
- 主導
- 牽引
類義語①指令の意味
指揮・命令すること。また、その命令。
引用:goo辞書
現場へ駆けつけるように、指令を受けました。
類義語②監督の意味
取り締まったり、指図をしたりすること。また、その人や機関。
引用:goo辞書
この件の監督責任者は私です。
類義語③先導の意味
先に立って導くこと。
引用:goo辞書
似たような経験があるので、僕がこの件を先導します。
類義語④主導の意味
中心となって他を導くこと。
引用:goo辞書
それでは、本件は山田さんが主導で進めてください。
類義語⑤牽引の意味
大きな力で引っ張ること。引き寄せること。牽曳 (けんえい) 。
引用:goo辞書
チームを牽引できるよう、尽力します。
「采配」と「差配」の違いは?
「采配」と「差配」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「采配」には指図という意味がありますが、
それに対し「差配」には、世話をすることや指図することという意味があります。
どちらも、人に対して指図をするという意味合いで使われる言葉です。
「差配」は誰かに代わってその役目を行うというニュアンスが含まれますが、「采配」は、誰かに何かをするように命令するといったニュアンスで使われます。
読み方も意味も似ている言葉ですが、時と場合によって使い分けましょう。
「采配」は英語で『call the shots』
采配は英語の『call the shots』に言い換えることができます。
英語の『call the shots』には
- 命令をする
- 采配(さいはい)を振るう
という意味があります。
「采配」の対義語・反対語はありません
采配の対義語は、ありません。