「しっぽり」という言葉には、「落ち着いて静かなさま」などの意味があります。
日常生活でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「しっぽり」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「しっぽり」の意味は『落ち着いて静かなさま』など
しっぽりの漢字表記はありません。
語源は「しっとり」や「しみじみ」が変化した言葉ではないかなど諸説ありますが、明確なものは不明です。
「しっぽり」は、口語的に広まった言葉だと言われています。
『しっぽり』には
- ぬれて十分に湿りけを含むさま
- 男女の情愛のこまやかなさま
- 落ち着いて静かなさま
- しみじみ
などの意味があります。
「しっぽり」の正しい使い方を例文で紹介!
「しっぽり」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①濡れて十分に湿りけを含む様子を表す時
雨などで濡れているさまを表す際に使われます。
【例文①】
昨夜の雨で畑がしっぽりと濡れている。
【例文②】
帰り道で雨が降ってきて、しっぽりと濡れた。
例文②男女の情愛のこまやかな様子を表す時
男女が仲睦まじくしている様子を表す時に使われます。
【例文①】
隣の席では男女がしっぽりと日本酒を飲みながら、話をしている。
【例文②】
デートでしっぽりと飲むのにちょうどよい隠れ家的居酒屋を見つけました。
例文③落ち着いて静かな様子を表す時
静かに落ち着いた時間を過ごすことを表す際に使われます。
【例文①】
仕事帰りに一人でしっぽりと居酒屋に行くのもいいな。
【例文②】
来週あたり、しっぽり飲みませんか?
【しっぽりを使う時の注意点】
明確な語源が不明の「しっぽり」ですが、京都の方言の一つに「しっぽり」があります。
京言葉で「しっぽり」は「静かで上品な様子」という意味で使われます。
一般的な「しっぽり」には上品なという意味合いはないため、混同しないように文脈やシーンから読み取りましょう。
「しっぽり」の類義語・言い換え3選
『しっぽり』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- しとしと
- しっとり
- じとじと
類義語①しとしとの意味
湿っているさま。また、濡れているさま。
引用:goo辞書
しとしとと雨が降ってきた。
類義語②しっとりの意味
今日のデートはしっとりとした雰囲気だ。
類義語③じとじとの意味
不快なほどひどく湿気を含んでいるさま。じっとり。
引用:goo辞書
梅雨はじとじとしているので嫌いです。
「しっぽり」と「しっとり」の違いは?
「しっぽり」と「しっとり」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「しっぽり」には、濡れて十分に湿りけを含むさまという意味がありますが、
それに対し「しっとり」には、軽く湿りけが行き渡っているさまという意味があります。
どちらも濡れている状態を表す言葉ですが、「しっぽり」は湿っている空気感を表すのに対して「しっとり」は肌や髪などの物に対して使われることが多い言葉です。
似ている言葉ですが、ニュアンスが異なりますので時と場合に応じて使い分けましょう。
「しっぽり」は英語で『moistly』
しっぽりは英語の『moistly』に言い換えることができます。
英語の『moistly』には
- じとっと
- じっとり
- 濡れ濡れ
- しっぽり
という意味があります。
「しっぽり」の対義語・反対語は『さらり』
しっぽりの対義語は、『さらり』になります。
さらりには
- 湿り気や粘り気がなく、さわやかなさま
- さらっ
などの意味があり、湿り気や粘り気がなく、さわやかなさまを表す際に用いられます。
外は蒸し暑いが、お店の中はさらりとしている。
ぬれて十分に湿りけを含む様子を表す「しっぽり」に対して、湿り気や粘り気がなく、さわやかな様子を表す「さらり」は、反対の意味の言葉として使うことができます。