「特筆」という言葉には、「特にとりたてて書き記すこと」という意味があります。
強調して褒める際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「特筆」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「特筆」の意味は『特にとりたてて書き記すこと』
特筆の読み方は「とくひつ」です。
語源は漢字の構成から来ており、
- 「特」はとりわけ・抜きんでる・ひとり
- 「筆」はふで・かく・かきしるす
この2つが合わさってできた言葉です。
「特筆」の正しい使い方を例文で紹介!
「特筆」は、メールや報告書などで特に強調したい場合や褒めたい場合に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
特筆すべきは、彼女のリーダーシップがチーム全体に影響を与えたことです。
例文②
科学の授業において、彼は特筆すべき実験結果を出しました。
例文③
彼は中学生としては特筆すべきスポーツの才能がある。
例文④
この映画は特筆すべき面白さがあり、みんなにおすすめしたい。
例文⑤
学校の文化祭では、特筆すべきダンスパフォーマンスが披露された。
【特筆を使う時の注意点】
「特にとりたてて書き記す」という意味を持つ『特筆』ですが、多くの場合は強調して褒める場面で使われます。
「特筆」の類義語・言い換え5選
『特筆』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 殊更
- 強調
- とりわけ
- 一際
- 注目
類義語①殊更の意味
- 考えがあってわざとすること。また、そのさま。故意。「—な仕打ち」「—につらく当たる」
- 格別なさま。
引用:goo辞書
彼の選択は殊更厳しいものであり、多くの人を驚かせた。
類義語②強調の意味
- ある事柄を特に強く主張すること。「事の重大さを—する」
- 絵画・音楽などで、ある一部分を特に目立つように表現すること。
- 取引相場が上がろうとしている状態。
引用:goo辞書
彼は自分の意見を強調して叫び、部屋に静寂が広がった。
類義語③とりわけの意味
[副]《動詞「取り分ける」の連用形から》特に。ことに。とりわけて。「今年の夏は—暑い」
引用:goo辞書
今年の夏はとりわけ気温が高くて暑いです。
類義語④一際の意味
- 他と比べて特に目立っているさま。一段と。「—高くそびえる山」「—声が大きい」
- 区別せず、ひとまとめに扱うさま。
引用:goo辞書
彼女はパーティーで一際美しく、みんなから注目されていました。
類義語⑤注目の意味
- 注意して見つめること。「目の前の舞台を—する」
- 関心をもって見守ること。「—に値する意見」「—される作品」
- 旧軍隊などで、姿勢を正し相手に目をそそいで敬意を表すこと。また、それを命じる語。
引用:goo辞書
あちらの画面にご注目ください。
「特筆」と「特記」の違いは?
「特筆」と「特記」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「特筆」には特にとりたてて書き記すことという意味がありますが、
それに対し「特記」には、特別に書き記すという意味があります。
「特筆」と「特記」はどちらも「特に重要な点などを書き記す」という共通の意味を持っています。
主な違いは、「特筆」は重要な点や異例な点を強調する場合に用いられることが多く、「特記」は具体的な事実や情報を書き記す場合に用いられます。
「特筆」は英語で『special mention』
特筆は英語の『special mention』に言い換えることができます。
英語の『special mention』には
- 特記
- 特筆
という意味があります。
「特筆」の対義語・反対語はありません
特筆の対義語は、ありません。