「他方」という言葉には、「ほかの方面」という意味があります。
二つの事柄について述べる時に使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「他方」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「他方」の意味は『ほかの方面』
他方の読み方は「たほう」です。
語源は当面のものや自分以外の事柄を表す「他」と
起点から上下左右に向かう直線の向きを表す「方」から来ており、
- 「他」は当面のものや自分以外の事柄
- 「方」は起点から上下左右に向かう直線の向き
の2つが合わさってできた言葉です。
『他方』には
- ほかの方面
- 別の方向
- 二つのものの、もう一方
などの意味があります。
「他方」の正しい使い方を例文で紹介!
「他方」は、二つの事柄について並行して述べる時に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
全体的には良い経験になったが、他方では困難もあった。
例文②
Dさんは厳しい人だが、他方で面倒見がいい。
例文③
他方からも事情を聞くことにしよう。
例文④
他方、彼女は周りから恨みを買っていたようだ。
例文⑤
富裕層が存在する一方で、他方では貧困層が存在する。
【他方を使う時の注意点】
他方は日常生活でも使うことはできますが、やや固い言い回しとなります。
「他方」の類義語・言い換え4選
『他方』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 別
- 片方
- 反面
- 後者
類義語①別の意味
- ある物事と他の物事との区別。けじめ。違い。
- 一緒ではないこと。それぞれ違っていること。また、そのさま。
- そのものでないこと。他のものであること。また、そのさま。
- 他のものと、また普通のものと異なること。また、そのさま。特別。
- わかれること。いとまごい。
引用:goo辞書
別の方向から考えてみてください。
類義語②片方の意味
二つそろって対になっているもののうちの一つ。一つのものを二つに分けたうちの一方。かたっぽ。かたっぽう。かたかた。
引用:コトバンク
片方のピアスがどこかへいってしまった。
類義語③反面の意味
彼女は親切そうに見える反面、とてもおしゃべりだ。
類義語④後者の意味
- 二つ挙げたうちのあとのもの。
- あとに続く者。後世の人。
引用:goo辞書
飴とグミが置いてあったら私は後者を選ぶ。
「他方」と「一方」の違いは?
「他方」と「一方」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「他方」にはほかの方面という意味がありますが、
それに対し「一方」には一つの方向という意味があります。
「他方」は二つの事柄がありそれらを並行して述べる時に使いますが、
「一方」は他の事柄が存在するとはかぎらず単体で使える言葉です。
「他方」は英語で『other』
他方は英語の『other』に言い換えることができます。
英語の『other』には
- もう一方の人
- 他方
という意味があります。
「他方」の対義語・反対語は『一方』
他方の対義語は、『一方』になります。
一方の意味
- 一つの方面。一つの方向。
- 二つあるうちの一つ。片方。
- (副助詞的に用いて)もっぱらその方向・方面にかたよること。…するばかり。だけ。
- (接続助詞的に用いて)…する反面。…と同時に。
引用:goo辞書
一方には
- 一つの方面
- 二つあるうちの一つ
- もっぱらその方向、方面にかたよること
などの意味があり、一つの方向を表す時に用いられます。
先述した通り「他方」は二つの事柄が出てきますが「一方」はそうとはかぎりません。
しかし、それぞれを副詞的・助詞的に用いた時の意味は似ています。