「陶酔」という言葉には、「気持ちよく酔うことや、心を奪われてうっとりすること」という意味があります。
うっとりする様子を表す際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「陶酔」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「陶酔」の意味は『気持ちよく酔うことや、心を奪われてうっとりすること』

陶酔の読み方は「とうすい」です。
明確な語源や由来はありませんが、「陶」と「酔」のそれぞれの意味は、
- 「陶」は、打ち解けて楽しいこと
- 「酔」は、酔いしれること
この2つが合わさってできた言葉です。
『陶酔』には
- 気持ちよく酔うこと
- 心を奪われてうっとりすること
などの意味があります。
「陶酔」の正しい使い方を例文で紹介!

「陶酔」は、気持ちよく酔うことや、心を奪われてうっとりすることを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①

ミュージカルの素晴らしさにしばらく陶酔していた。
例文②

夜空の星に陶酔し、涙が出てきた。
例文③

彼女の歌声に陶酔した。
例文④

彼は食い入るようにその絵を見つめていて、陶酔しているようだ。
例文⑤

山頂からの絶景に陶酔し、言葉を失った。
【陶酔を使う時の注意点】
「陶酔」は、心が奪われてうっとりしている様子を表す言葉です。
日常会話で使うと大袈裟な表現だと感じられる場合があるため、過度に使わないように気をつけましょう。
「陶酔」の類義語・言い換え5選

『陶酔』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 酔う
- 恍惚
- 陶然
- とろける
- うっとり
類義語①酔うの意味
1 飲んだ酒のアルコール分が体中にまわり、正常な判断や行動がとれなくなったりする。
2 乗り物に揺られたり、人込みの熱気に当てられたりして気分が悪くなる。
3 そのことに心を奪われてうっとりする。また、自制心を失う。
引用:goo辞書

私は、彼の大人な雰囲気に酔っていた。
類義語②恍惚の意味
物事に心を奪われてうっとりするさま。
引用:goo辞書

彼女はコンサートが始まると、恍惚とした表情を浮かべた。
類義語③陶然の意味

古いワインを味わい、陶然とした気持ちになった。
類義語④とろけるの意味
心のしまりがなくなる。
引用:goo辞書

彼の屈託のない笑顔を見ると、とろけてしまいそう。
類義語⑤うっとりの意味
美しいものなどに心を奪われて、ぼうっとしているさま。また、気抜けしたさま。
引用:goo辞書

美しいピアノの音色にうっとりとした。

「陶酔」と「心酔」の違いは?

「陶酔」と「心酔」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「陶酔」には気持ちよく酔うことや、心を奪われてうっとりすることという意味がありますが、
それに対し「心酔」には、ある物事に心を奪われ、夢中になることという意味があります。
「陶酔」は、芸術や音楽などに感覚的にうっとりとすることを表しますが、「心酔」は人物や作品などに対しての尊敬や憧れの意味合いが強い言葉です。
どちらも何かに強く引き込まれ、夢中になることを意味しますが、ニュアンスが異なりますので、時と場合に応じて使い分けましょう。
「陶酔」は英語で『intoxication』

陶酔は英語の『intoxication』に言い換えることができます。
英語の『intoxication』には
- 酔い
- 興奮
- 夢中
という意味があります。
「陶酔」の対義語・反対語は『我にかえる』

陶酔の対義語は、『我にかえる』になります。
我にかえるには
- 興奮状態からさめ、平生の心境に戻る
- 正常な判断力を取り戻す
などの意味があり、興奮状態からさめ、平生の心境に戻ることを表す際に用いられます。

母に声をかけられて、ふと我にかえる。
気持ちよく酔うことや、心を奪われてうっとりすることという意味の「陶酔」に対して、興奮状態からさめ、平生の心境に戻ることや、正常な判断力を取り戻すことを表す「我にかえる」は、反対の意味の言葉として使うことができます。
