「泡沫」という言葉には、「はかなく消えやすいもののたとえ」という意味があります。
「泡沫の恋」などの表現でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「泡沫」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「泡沫」の意味は『はかなく消えやすいもののたとえ』
泡沫の読み方は、訓読みでは「うたかた」、音読みでは「ほうまつ」です。
一般的には「うたかた」と読みますが、「うたがた」と読んでも間違いではありません。
「泡沫」の語源は諸説あり、
- 水に浮かべる球体の「ウクタマカタ(浮玉形)」から転じた
- 「うきてえがたきもの(浮きて得がたきもの)」の略
などさまざまな言われがあり、明確な語源は不明です。
また、日本では泡のことを「うたかた」と読んでおり、中国から泡を意味する「泡沫」という言葉が渡ってきた際に、「うたかた」という読みを当てるようになったと言われています。
『泡沫』には
- あわ
- はかなく消えやすいもののたとえ
- 問題にならないようなもののたとえ
などの意味があります。
「泡沫」の正しい使い方を例文で紹介!
「泡沫」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①「うたかた」と読む時
儚い恋を意味する「泡沫の恋」などの表現で使われます。
【例文①】
憧れの先輩への想いは、泡沫の恋だった。
【例文②】
ブラック企業に就職してしまったので、わたしのアフターファイブは泡沫の夢と消えてしまった。
例文②「ほうまつ」と読む時
当選する見込みが低い選挙立候補者を指す「泡沫候補」などの表現で使われます。
【例文①】
市長選に出馬した女性は、泡沫候補だと言われています。
【例文②】
泡沫夢幻と言われている人生ですが、一瞬一瞬を楽しみたいです。
【泡沫を使う時の注意点】
「泡沫」は読み方によって使われ方が異なる言葉です。
基本的には「泡のように儚い」「すぐに消えてしまう」というニュアンスで使われることが多いです。
また、「うたかた」と読む際にはひらがなで表記されることが多いので覚えておきましょう。
「泡沫」の類義語・言い換え3選
『泡沫』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 泡
- 水泡
- 仮初め
類義語①泡の意味
試合直前で怪我をしてしまい、これまでの努力が水の泡になってしまった。
類義語②水泡の意味
彼が遅刻したことで、私たちの計画は水泡に帰した。
類義語③仮初めの意味
一時的なこと。また、そのさま。
引用:goo辞書
彼女と僕との関係は、一夏だけの仮初めの恋でした。
「泡沫」と「飛沫」の違いは?
「泡沫」と「飛沫」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「泡沫」には水面に浮かぶ泡という意味がありますが、
それに対し「飛沫」には、こまかく飛び散る水という意味があります。
「飛沫」は人のくしゃみや咳などのことも表しますが、「泡沫」はそのような意味はありません。
また、「泡沫」は儚いことのたとえという意味があるのに対して「飛沫」にはありません。
似ている言葉ですが、意味や使用される場面が異なりますので、意味をしっかりと覚えておきましょう。
「泡沫」は英語で『bubble』
泡沫は英語の『bubble』に言い換えることができます。
英語の『bubble』には
- 泡
- 夢のような計画
などという意味があります。
「泡沫」の対義語・反対語は『永久』
泡沫の対義語は、『永久』になります。
永久には
- いつまでも限りなく続くこと
などの意味があり、物事がいつまでも続くことを表す際に用いられます。
彼女と永久の愛を誓いました。
はかなく消えやすいもののたとえという意味のある「泡沫」に対して、いつまでも限りなく続くことという意味の「永久」は、反対の意味の言葉として使うことができます。