「様相」という言葉には、「物事のありさま」という意味があります。
物事の様子や見た目を表す場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「様相」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「様相」の意味は『物事のありさま』
様相の読み方は「ようそう」です。
語源は2つの漢字の組み合わせから来ており、
- 「様」はありさま
- 「相」は物の姿や様子
の2つが合わさってできた言葉です。
『様相』には
- ありさま
- すがた
- 哲学で、事物の存在の仕方
などの意味があります。
「様相」の正しい使い方を例文で紹介!
「様相」は、物事のありさまなどを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
国内の情勢が、混乱の様相を呈している。
例文②
パワハラ関する問題が発覚し、この部だけ様相が異なっている。
例文③
東北に入ってから、急に田舎の様相を帯びてきた。
例文④
戦争が長引き、複雑な様相を呈している。
例文⑤
大学で様相論理学について学びました。
【様相を使う時の注意点】
「様相」は、公的な文書や論文などで使われる言葉です。
堅い言い回しですので日常会話にはあまり馴染みません。時と場合に注意して使いましょう。
「様相」の類義語・言い換え4選
『様相』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 有り様
- 動静
- 状況
- 形相
類義語①有り様の意味
物事の状態。ありよう。
引用:goo辞書
実家を出て5年で、町の有り様は随分変わってしまった。
類義語②動静の意味
物事の動き。ありさま。ようす。
引用:goo辞書
窓の外の動静をうかがっています。
類義語③状況の意味
移り変わる物事の、その時々のありさま。
引用:goo辞書
店の混雑状況をネットで見ることができます。
類義語④形相の意味
顔つき。顔かたち。特に、怒りや嫉妬など激しい感情の現れた顔つき。
引用:goo辞書
彼女は鬼の形相でこちらを見ている。
「様相」と「様子」の違いは?
「様相」と「様子」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「様相」には物事のありさまという意味がありますが、
それに対し「様子」には、外から見てわかる物事のありさまという意味があります。
どちらも物事のありさまについて表す言葉ですが、ニュアンスが異なります。
「様相」は客観的に判断できる情報に対してのみ使われます。
特に社会問題や政治経済などの問題について用いられる言葉です。
それに対し「様子」は、主観的に判断した情報に対しても使われる言葉です。
また、日常生活においても広く使われる表現になります。
「様相」は英語で『aspect』
様相は英語の『aspect』に言い換えることができます。
aspectの意味
(もの・ことの)面、様相、(問題を見る)見地、角度、(家・部屋などの)向き、方位、(人の)顔つき、容貌(ようぼう)、(人事に影響を与えるという)星の相、相
英語の『aspect』には
- (もの・ことの)面
- 様相
という意味があります。
「様相」の対義語・反対語はありません
様相の対義語は、ありません。