「憂慮」という言葉には、「心配すること」という意味があります。
ビジネスシーンなどのかしこまった場面でよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「憂慮」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「憂慮」の意味は『心配すること』
憂慮の読み方は「ゆうりょ」です。
明確な語源や由来はありませんが、「憂」と「慮」のそれぞれの意味は、
- 「憂」は、物思いに沈むこと
- 「慮」は、あれこれと思いめぐらす
この2つが合わさってできた言葉です。
『憂慮』には
- 心配すること
- 思いわずらうこと
などの意味があります。
「憂慮」の正しい使い方を例文で紹介!
「憂慮」は、心配することを表す際に使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
憂慮すべき事柄を優先的に考えよう。
例文②
リーダーが体調不良になってしまい、今後のスケジュールについて憂慮しています。
例文③
憂慮していた事案が発生してしまいました。
例文④
憂慮しても仕方ないと分かっているけど、心配だ。
例文⑤
環境問題は憂慮すべき課題です。
【憂慮を使う時の注意点】
「憂慮」は「うりょ」と読み間違えることが多いため、注意が必要です。
心配して悩むことを表す「憂慮」ですが、不安感や危機感が強い場面で使われますので、使用の際には気をつけましょう。
「憂慮」の類義語・言い換え3選
『憂慮』の類義語や言い換えの言葉は3つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 懸念
- 危惧
- 杞憂
類義語①懸念の意味
気にかかって不安に思うこと。
引用:goo辞書
その機械は、安全性が懸念されている。
類義語②危惧の意味
あやぶみ、おそれること。危懼 (きく) 。
引用:goo辞書
この大雨で畑の野菜がダメにならないか危惧している。
類義語③杞憂の意味
心配する必要のないことをあれこれ心配すること。取り越し苦労。杞人の憂え。
引用:goo辞書
集合時間に間に合わないかもと心配していたが、杞憂だった。
「憂慮」と「考慮」の違いは?
「憂慮」と「考慮」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「憂慮」には心配することという意味がありますが、
それに対し「考慮」には、物事をいろいろの要素を含めてよく考えることという意味があります。
「憂慮」は強い心配や不安を表しますが、「考慮」はじっくりと考えることを意味します。
どちらも「慮」で終わる言葉で響きが似ていますが、意味は全く異なりますので、正確に覚えておきましょう。
「憂慮」は英語で『concern』
憂慮は英語の『concern』に言い換えることができます。
英語の『concern』には
- 心配させる
- 心配する
などという意味があります。
「憂慮」の対義語・反対語は『安堵』
憂慮の対義語は、『安堵』になります。
安堵には
- 気がかりなことが除かれ、安心すること
などの意味があり、気がかりなことが除かれ、安心することを表す際に用いられます。
無事に妻が実家から帰ってきて安堵した。
心配することという意味の「憂慮」に対して、気がかりなことが除かれ、安心することという意味の「安堵」は、反対の意味の言葉として使うことができます。