「形式」という言葉には、「物事を行うときの一定のやり方」という意味があります。
定まったやり方を表現する際によく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「形式」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
形式の意味は『物事を行うときの一定のやり方』
1.物事が存在するときに表に現れている形。外形。
2.物事を行うときの一定のやり方。事務上の手続き、儀礼的な交際などについていう。
3.形だけで実質の伴わないこと。おざなり。
4.芸術作品で主題・思想を表すために、作品を構成する諸要素を配置・配合する一定の手法。
5.哲学で、事物や事象の成立・発現のしかたやその構造、またそれらの関係などを抽象したもの。
引用:weblio辞書
形式の読み方は「けいしき」です。
形式の語源は分かっていませんが、
- 「形」は物のかたち・表に現れたすがた
- 「式」は一定のやり方・手本・作法
の2つが合わさってできた言葉です。
『形式』には
- 物事が存在する時に表に現れている形・外形
- 物事を行うときの一定のやり方
- 形だけで実質の伴わないこと
などの意味があります。
形式の正しい使い方を例文で紹介!
「形式」は、使うシーンによって少しずつ意味が変わってきます。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①「形式」の使い方
形式は、物事を行う時の一定のやり方という意味で使われます。
使い方としては主に「〜の形式・〇〇形式」という形で使われます。
【例文①】
本日のセミナーはクイズ形式だったのでとても面白かった。
【例文②】
明日からホテルの改装がはじまりますが、営業形式は変わりません。
例文②「形式的」
形式的は、形式だけを重んじて、内容は問題ではないという意味で使われます。
捉え方次第では「形だけで、内容が伴っていない」「心がこもっていない」など、ネガティブな印象を与えてしまう場合もあります。
【例文①】
打ち合わせ後のメールは形式的過ぎても、印象には残らない!
【例文②】
先程の代表挨拶は、とても形式的だと思いました。
例文③「形式張る」
形式張るは、形式を重んじて堅苦しい態度や表現、方法などをとるという意味で使われます。
使い方としては、「形式張った〇〇」という形で使われます。
【例文①】
新しくできた友達へメールを送る時、どうしても形式張った書き方になってしまう。
【例文②】
形式張った話し方だけでは、近寄りがたいイメージを持たれるので少しでも柔らかく話せるよう意識すると良いでしょう!
【形式を使う時の注意点】
例文②(形式的)※捉え方次第ではネガティブな印象・③(形式張る)については、ネガティブな会話のシーンで使われる為、きちんと意味を理解し使い分けましょう。
形式の類義語・言い換え4選
『形式』の類義語や言い換えの言葉は4つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 格好
- 体裁
- 儀式
- 形態
類義語①格好の意味
- 外から見た事物の形。姿。また、身なり。「髪の―を直す」「殴る―をする」「はでな―で出かける」
- 人に対して恥ずかしくない姿・形。整った形。体裁。「びりでは―が悪い」「―をつけて歩く」
- 物事の状態。…のようなようす。「親に忘れられた―で育った」
- (年齢を表す語に付いて)年齢がだいたいそのくらいであること。ちょうどその年くらいのようすであること。「四十―の男」
引用:goo辞書
明日は入社説明会なので、ふさわしい格好で来てください。
類義語②体裁の意味
- 外から見た感じ・ようす。外見。外観。「料理を―よく盛りつける」
- 世間の人の目にうつる自分のかっこう。世間体。みえ。「―ばかりを取り繕う」「パーティーに一人で行くのは―が悪い」
- それらしい形式。「企画書としての―をなしていない」
- 相手を喜ばせるような振る舞いや口先だけの言葉。「―を言う」
引用:goo辞書
彼女が初めて作成した資料は、体裁が整っていてとても読みやすい!
類義語③儀式の意味
公事 (くじ) ・神事・祭事・慶弔などの、一定の作法・形式で執り行われる行事。また、その作法。
引用:goo辞書
来年に結婚式を予定している為、その際の儀式について調べました。
類義語④形態の意味
① ある組織立った物事の、外から見たかたち。組み立てられている個々の物事のありさま。
② 心理学で、部分からは導くことのできない有機的に複合したまとまりをいう。ゲシュタルト。→形態心理学
引用:コトバンク
転職活動を行うにあたって、どの勤務形態を希望していますか。
形式と様式の違いは?
「形式」と「様式」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「形式」には物事を行う時の一定のやり方という意味がありますが、
それに対し「様式」には、事物や事柄に共通している一定の型という意味があります。
他にも、ある時代の習慣で定められていたやり方も意味します。
- 「形式」・・・物事を行う時の一定のやり方
例:質問形式、対談形式、ハンズオン形式
- 「様式」・・・事物に共通する一定の特徴や方法
例:昔と現代の生活様式、飛鳥様式、ゴシック様式
形式は英語で『formality』
形式は英語の『formality』に言い換えることができます。
formalityの意味
1.[U]形式的であること;因襲.
1a〔-ties〕形式的手続[行為],儀礼[慣習]的なこと,決まり事;〔通例a ~〕形式的な[形式だけの]もの[こと].
2.[U](厳しいほどの)きちょうめんさ;融通のきかないこと,頑固;形式[儀式]遵奉(じゅんぽう);(極端な)堅苦しさ.
引用:コトバンク
英語の『formality』には
- 形式的であること
- 厳しいほどの几帳面さ、融通のきかないこと、頑固
という意味があります。
形式の対義語・反対語は『内容』
形式の対義語は、『内容』になります。
内容の意味
- 容器や包みなどの、中に入っているもの。なかみ。「手荷物の―を申告する」
- 物事を成り立たせているなかみ。実体。実質。「試合の―に不満が残る」
- 文章や話などの中で伝えようとしている事柄。意味。「手紙の―」「―のない番組」
- 哲学で、事物や事象を成立させ、また、表面に現れている実質・意味。⇔形式。
引用:goo辞書
内容には
- 容器や包みなどの中にないっているもの・中身
- 物事を成り立たせる中身・実態・実質
- 文章や話などの中で伝えようとしている事柄・意味
などの意味があり、会話や文章など幅広い場面で用いられます。
形式は「外からみた形・外形」という意味ですが、内容は「中身・実質」という対照的な意味になります。