「前提」という言葉には、「ある物事が成り立つための、前置きとなる条件」という意味があります。
日常的にもビジネスシーンなどでもよく使われる言葉ですが、正しい使い方を知らないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、「前提」の意味や使い方などを例文を交えながら、分かりやすく解説していきます。
「前提」の意味は『ある物事が成り立つための、前置きとなる条件』
前提の読み方は「ぜんてい」です。
「前」は小学2年生で「提」は小学5年生で習う漢字で、
- 「前」は空間的にまえ・進んでいくほう・正面のほう
- 「提」はさげる・ひっさげる・手にさげて持つ・手をつなぐ・助け合う・ひきつれる
の2つが合わさってできた言葉です。
『前提』には
- ある物事が成り立つための、前置きとなる条件
- 論理学で、推論において結論が導き出される根拠となる判断
などの意味があります。
「前提」の正しい使い方を例文で紹介!
「前提」は、そうなることを仮定して何かをすることを表すときに使われる言葉です。
間違った使い方をすると相手に伝わらなかったり、失礼な印象を与えてしまう可能性もありますので、例文と共に正しい使い方を知っていきましょう。
例文①
結婚前提で交際を申し込まれた。
例文②
正社員になるためには、パソコンを使えることは前提です。
例文③
トッピングを前提に考慮されたシンプルなアイスが大好物です。
例文④
匿名を前提に協力してほしい。
例文⑤
勝つ前提で次の試合に目を向けています。
【前提を使う時の注意点】
前提はある物事が成り立つための、前置きとなる条件という意味です。
そうなることを仮定して何かをすることを表すときに使う言葉です。
「前提」の類義語・言い換え5選
『前提』の類義語や言い換えの言葉は5つあります。
類義語を知り、同じ意味を持つ複数の言葉を使い分けることができると相手とのコミュニケーションが円滑になります。
相手の理解度や状況に合わせて、最適な言葉を選択していきましょう。
- 制約
- 仮定
- 根底
- 土台
- 条件
類義語①制約の意味
意ある条件や枠をもうけて、自由な活動や物事の成立をおさえつけること。また、その条件や枠。
引用:goo辞書
時間の制約はあるけど、完成するまで努力します。
類義語②仮定の意味
- 未定のこと、不確かなことを仮にこうと定めること。また、仮に定めた事柄。
- 論理学などで、ある命題を導き出す推論の出発点におかれる前提条件。仮設。
引用:goo辞書
今ここに花があると仮定します。
類義語③根底の意味
物事や考え方のおおもととなるところ。
引用:コトバンク
兄弟喧嘩の根底には昔の出来事が絡んでいる。
類義語④土台の意味
- 木造建築の骨組みの最下部にあって、柱を受け、その根本をつなぐ横材。建物の荷重を基礎に伝える。
- 建築物の最下部にあって、上の重みを支えるもの。基礎。
- 物事の基礎。物事の根本。
引用:goo辞書
土台を築くためには、今が頑張り時です。
類義語⑤条件の意味
1. 約束や決定をする際に、その内容に関しての前提や制約となる事柄。
2. ある物事が成立・実現するために必要な、または充分な事柄。
3. 法律行為の効力の発生または消滅を、発生するかどうか不確定な将来の事実にかからせる付款(ふかん)。また、その事実。
引用:weblio辞書
絶対に卒業するという条件で入学を許可した。
「前提」と「制約」の違いは?
「前提」と「制約」は似ている言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「前提」にはある物事が成り立つための、前置きとなる条件という意味がありますが、
それに対し「制約」には、意ある条件や枠をもうけて、自由な活動や物事の成立をおさえつけることという意味があります。
どちらも条件という意味が含まれているところが似ていますが、「前提」は物事を成り立たせるために必要な条件で、「制約」は自由な活動をおさえつける条件を意味しています。
「前提」は英語で『premise』
前提は英語の『premise』に言い換えることができます。
英語の『premise』には
- (推理を行なう時の結論の基礎となる)前提・根拠
- (土地・付属物付きの)家屋・建物・構内・店内・既述事項
という意味があります。
「前提」の対義語・反対語はありません
前提の対義語は、ありません。