『ベクトル』はビジネスシーンでよく使われるカタカナ語で、『考え方や物事の方向』あるいは『方向と勢い』という意味があります。
初めて『ベクトル』と聞いた時は難しいと感じたり、日本語で言ってよ!と思ったこともあるのではないでしょうか。
しかしビジネス用語の意味を知り、使い方を覚えていくことで、コミュニケーション能力や文書の読解力が向上していくでしょう。
この記事では『ベクトル』の意味や、シーン別での使い方や例文などを分かりやすく紹介します。
ベクトルの意味は3パターン
【ベクトルの意味】
1 大きさと向きをもつ量。有向線分で表す。
2 ベクトル空間の要素である元(げん)。
3 (1から転じて)方向性をもつ力。物事の向かう方向と勢い。
「各省庁間の―の大小を比較する」「彼とは―が合う」「組織内の各人がばらばらに―を立てる」
引用:Weblio辞書
ベクトルの意味①『大きさと向きをもつ量』
『ベクトル』には
・大きさと方向を持つ量
などの意味がある算数・数学・物理用語です。
ベクトルには『ベクトル空間の元』などの意味もあります。
ベクトル空間とは上述の通りの意味で、高校や大学で扱われるような高等数学の用語です。
ベクトルの意味③『方向性』『物事の向かう方向と勢い』
『ベクトル』には
・ 方向性をもつ力
・ 物事の向かう方向と勢い
などの意味があります。
ビジネスシーン、日常生活において使われる場合ともに、このような意味で使われることが殆どです。
彼との話のベクトルが合っていない気がする…。
ベクトルの正しい使い方(ビジネスシーンで使う場合)
ビジネスシーンで使う『ベクトル』は、『方向』『勢い』などの意味があります。
例文①『考え方の方向』という意味で使う時
【Before】
新規事業成功のために、チーム内で考え方の方向を揃えておこう!
【After】
新規事業成功のために、チーム内でベクトルを合わせておこう!
例文②『目標達成に向けた姿勢(勢い)』という意味で使う時
【Before】
いい組織づくりの為には、全員が同じ姿勢で取り組まないとならない。
【After】
いい組織づくりの為には、全員が同じベクトルを向かなければならない。
ビジネスシーンで『ベクトル』と言われた時は、何かの『方向』や『勢い』と受け取ると良いでしょう。
【注意点】
『ベクトル』を使う時の注意点 『ベクトル』は何かの方向性や勢いを指す言葉です。
考え方やアイディア、目標等その対象が何であるか、
話の中でしっかりと把握することが重要になります。
ベクトルの正しい使い方(日常生活で使う場合)
日常生活で使う『ベクトル』には、『考え方や物事の方向』『対象への態度』という意味があります。
例文①『考え方や物事の方向』という意味で使う時
【Before】
これからは、仕事と育児の両立についての考え方を合わせないと。
【After】
これからは、仕事と育児の両立についてのベクトルを合わせないと。
例文②『対象への態度』という意味で使う時
【Before】
最近彼氏の態度が私に向いてない気がするんだよね…
【After】
最近彼氏のベクトルが私に向いてない気がするんだよね…
このように、日常生活で使う『ベクトル』は『考え方や物事の方向』や『対象への態度』という意味があります。
意味が抽象的でイメージを掴みづらい単語かもしれませんが、例文のような使い方をされます。
意味を理解してみると意外と身近な言葉であることが分かったのではないでしょうか?
ベクトルの類義語2選
『ベクトル』の類義語は2つあります。
①進路・(進む)方向・行く先
② ベクター
類義語①『進路』『(進む)方向』『行く先』の意味
類義語②『ベクター』の意味
『ベクター』とは、大きさと方向性を持つ力量のことを意味する表現である。
何かが持っているエネルギー量や勢いと、その大きさ・方向性を意味する名詞である。
主に数学や物理学の分野において平面上や空間上における力量や速度を表わす際に使われている。
大きさを表わす数値の他に「方向」を示すことから、「加速度」や「圧力」などに対して用いられる単語である。
また、このような専門的な意味が転じて、人の考え方や組織などにおける活動の方向性などの日常的な表現にも使われるようになった。
もともとは力と方向性を示すのが『ベクター』本来の意味であるが、会話においては単純に「目的や方向性」の意味で使われることが多い。
引用:Weblio辞書
ベクトルの対義語・反対語は『スカラー』
ベクトルの対義語は、『スカラー』になります。
『スカラー』は
・長さ・面積・質量・温度・時間など、大きさだけで定まる数量
などの意味がある算数・数学・物理学用語です。
『ベクトル』がこれらの専門用語として使われる際の対義語となります。
・『ベクトル』と『スカラー』の違い
『ベクトル』は力や運動量、速度、加速度 等といった大きさと向きを持つ量を意味するのに対し、
『スカラー』は、質量、面積、長さ、温度 等といった大きさのみを持つ量を意味する言葉です。